就労ビザ申請

就労ビザをまるごと解説/技術・人文知識・国際業務

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特定活動/技術・人国イメージ

就労ビザとは

このページの要約

このページの目的は就労ビザの1つである技術・人文知識・国際業務の全容をおさえることだ。技術・人文知識・国際業務の活動内容や上陸許可基準を知ることで申請に必要な知識を習得しよう。またページの最後には申請に必要な書類や審査ポイントについても解説している。

就労ビザとは日本で在留する外国人のためのビザであり主に就労することを目的としたビザのことである。一方就労を目的としないビザのことを非就労ビザという。

就労ビザに該当するかどうかは在留資格の一覧表を見てほしい。

基本的に、別表第一の一と二(技能実習まで)が就労ビザ、三、四、五が非就労ビザである。

技術・人文知識・国際業務とは

ご覧頂いたように就労ビザは活動内容によって種類が異なる。そこで、このページでは就労ビザのなかでも一番需要のある、技術・人文知識・国際業務を例にして話をすすめていきたい。

技術・人文知識・国際業務の活動内容

技術・人文知識・国際業務は就労ビザのなかでも最もポピュラーなビザである。例えば、外国人が日本の学校を卒業し、引き続き日本で就職するときに、留学から技術・人文知識・国際業務のビザに変更することが一番多い。技術・人文知識・国際業務のビザでは法律で定められている活動をしなければならない。まずは、決められている活動内容をみてみよう。

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(一の表の教授の項、芸術の項及び報道の項の下欄に掲げる活動並びにこの表の経営・管理の項から教育の項まで、企業内転勤の項及び興行の項の下欄に掲げる活動を除く。)

引用 出入国管理及び難民認定法

技術・人文知識・国際業務ビザで定められている活動は大きく分けて以下の2つになる。

  1. 理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務
  2. 外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動

1.理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務

[解説] 難しく書かれているので簡単に説明すると、「理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務」とは大学などで学んだ知識を活かした業務ということになる。

自然科学の分野若しくは人文科学の分野とはあまり聞きなれない言葉であるが、要は大学にあるほとんどの学部や学科は自然科学及び人文科学のどちらかに該当する。よって、大学を卒業すれば、同時に自然科学の分野及び人文科学の分野のいずれかの専門的知識を習得したとされるので、これらの知識を活かした業務につくならば、技術・人文知識・国際業務の活動内容に該当すると解釈できる。

つまり、大学で経済を専攻していれば、経済の専門的知識を習得したとみなされる。経済の専門的知識は人文科学の分野に属する知識に該当するので、この専門的知識を要する業務につくことは、技術・人文知識・国際業務の活動内容に該当することになる。

2.外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動

[解説] 技術・人文知識・国際業務の活動で認められている2つ目の活動である。「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務」とは外国人特有の感性や思考を必要とする業務のことである。

外国人ならば日本人が持っていない外国人特有の感性や思考を持っているはずなので、全ての外国人が該当しそうだが、もちろんそんな単純なことではない。

単に外国人というだけではなく、外国の歴史や伝統のなかで培われた発想や感覚を基にした一定水準以上の専門的能力を必要とする。こちらは1に比べると個別・具体的に判断されるケースが多いので許可の難易度は高いといえる。

技術・人文知識・国際業務の上陸許可基準

活動内容が分かったところで、次は具体的にどのような要件をそろえればいいかを説明する。申請人の上陸許可基準についてだ。上陸許可基準は第1号から3号まで3つある。申請人はいずれにも該当していなければならない。

1.申請人が自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事しようとする場合は、従事しようとする業務について、次のいずれかに該当し、これに必要な技術又は知識を修得していること。

イ 当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと。

ロ 当該技術又は知識に関連する科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了(当該修了に関し法務大臣が告示をもって定める要件に該当する場合に限る。)したこと。

ハ 十年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に関連する科目を専攻した期間を含む。)を有すること。

2.申請人が外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、次のいずれにも該当していること。

イ 翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。

ロ 従事しようとする業務に関連する業務について三年以上の実務経験を有すること。ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない。

3.日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

引用 出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令

第1号 外国人が自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事しようとする場合

第1号では、外国人が自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事する場合の経歴要件について定めている。下記のイ、ロ、ハのいずれかに該当する必要がある。

イ 大学を卒業していること

ロ 日本の専修学校の専門課程を修了したこと

チェック

「当該修了に関し法務大臣が告示をもって定める要件に該当する場合に限る。」の法務大臣が告示をもって定める要件とは以下のものである。

  1. 専門士と称することができること
  2. 高度専門士と称することができること

ハ 10年以上の実務経験があること(10年の中には大学などで学んだ期間も含まれる)

ポイント

大学や専修学校で専攻した科目と従事しようとしている業務が関連していることが必要であるが、一致していることまでは求められていない。また、大学を卒業した者については大学が広く知識を授けることから専修学校と比べると比較的緩やかに判断される。

第2号 外国人が外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合

次に第2号の申請人が外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合に必要な要件は以下になる。

イ 「外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務」の場合は上記のように業務が限定されている点に注意が必要だ。

ロ 三年以上の実務経験があること

チェック

実務経験は関連する業務についてあれば足り、日本で従事しようとしている業務そのものについての実務経験を有することまでは必要とされていない。

第3号 外国人が日本人と同等額以上の報酬を受けること

就労ビザの必要書類

次に就労ビザの必要書類について説明する。必要書類も就労ビザごとに異なるので、ここでも技術・人文知識・国際業務のケースについて解説する。

まず、必要書類は申請人が就労する所属機関(会社など)によって異なることを覚えておこう。所属機関は会社などの規模によって下記のカテゴリー1から4までわかれる。カテゴリー1は上場企業などの大企業や国の機関などが該当する。同じように、カテゴリー2は比較的大きな会社、カテゴリー3は中小企業、カテゴリー4は新設会社などが該当する。

必要書類はカテゴリー1が一番少なく、カテゴリー4が一番多い。理由としては、あまり深く考えず、新設会社より大企業や国の機関のほうが信用力が高いくらいに考えればいい。

所属機関のカテゴリー

  カテゴリー1 カテゴリー2 カテゴリー3 カテゴリー4
区分(所属機関)
  1. 日本の証券取引所に上場している企業
  2. 保険業を営む相互会社
  3. 日本又は外国の国・地方公共団体
  4. 独立行政法人
  5. 特殊法人・認可法人
  6. 日本の国・地方公共団体の公益法人
  7. 法人税法別表第1に掲げる公共法人
前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中,給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,500万円以上ある団体・個人 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く) 左のいずれにも該当しない団体・個人

引用 法務省

就労ビザの必要書類

必要書類はカテゴリーごとに異なる。カテゴリー1と2については必要書類は少ない。そこで、カテゴリー3の必要書類を以下に解説する。

まずは、カテゴリー1~4までに基本的に共通する書類として以下のものがある。

  1. 在留資格変更許可申請書
  2. 写真(縦4㎝×横3㎝) 1葉
  3. パスポート及び在留カード
  4. 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

注:

申請書の書き方は在留資格変更許可申請書の記入例を参考にしよう。

次にカテゴリー3に必要な書類についての説明をする。

最初に技術・人文知識・国際業務の審査ポイントについて知っておく必要がある。技術・人文知識・国際業務の審査ポイントは大きく分けて2つある。

  1. 申請人の学歴
  2. 所属機関で働く職務内容

よって、カテゴリー3ではこれらに関わる資料を提出する必要がある。

1.申請人の学歴について

まずは申請人の学歴について必要な書類を提出しよう。上述したように、技術・人文知識・国際業務では業務に関係のある知識や技術をすでに申請人が持っているというのが前提だ。基本的には大学などの卒業証明書があればそれでいい。しかし、従事できる業務の幅をひろげるためにも、卒業証明書だけでなく、自分が持っている資格やスキルを積極的に入国管理局に知らせよう。

必要書類(例)

  1. 履歴書
  2. 卒業証明書
  3. IT技術者については,法務大臣が特例告示をもって定める「情報処理技術」に関する試験又は資格の合格証書又は資格証書 
  4. その他検定や資格をもっていれば証明書 など

また、「技術・人文知識・国際業務の上陸許可基準」のところでも説明したように、学歴にかえて実務経験でも要件を備えることができる。その場合は在職証明書や職務経歴書などの書類を添付するのが望ましい。

2.所属機関について

次に所属機関について必要な書類を提出しよう。ここで重要なのは申請人が所属機関で働く職務内容についてだ。上述したように、申請人が従事できる業務は申請人が大学などで学んだ専門知識に関係する業務でなければならない。所属機関の職務内容はもちろん、申請人が従事する職務内容もできるだけ詳しく説明したほうがいい。

必要書類(例)

  1. 登記事項証明書
  2. 直近の決算書
  3. 申請人との雇用契約書
  4. 事務所の写真 など

以上が、技術・人文知識・国際業務の全容だ。もう聞き飽きたと思うが、技術・人文知識・国際業務のポイントは申請人が習得した技術や知識と従事する業務内容に関連性があることだ。

このポイントをおさえることが非常に重要だ。

参考:実際に飲食店で勤務する外国人の就労ビザを取得した事例